・M・Bゴフスタイン「 ピアノ調律師」2015/02/26 02:37

人生で自分の好きなことを仕事にできる以上に 幸せなことがあるかい?

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お客さんから教えていただいたM・Bゴフスタインの 絵本「ピアノ調律師」の中のピアニスト、アイザック・リップマンの言葉です。 私自身も忘れかけてた、調律という仕事を志した時にいだいた大きな思いです。

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デビー・ワインストックは、まだ小さな女の子です。彼女のおじいさんのルーベン・ワインストックは、仕事に厳しく孫娘を愛する世界一の調律師です。ルーベンはデビーをピアニストにしたいと思っていましたが、デビーの憧れの仕事は、大好きなおじいさんと同じ調律師だったのです。

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我が家にピアノがきたのは、中学2年生の頃でした。年に数回の調律の時はできるだけ時間を合わせてもらい仕事を見せてもらっていました。とは言っても、理解できるような耳も知識もありません。ただ音を聴き、見えない別の世界に想いを馳せるのでした。それは、オーロラのカーテンの大きな揺らぎのようだったり、空に浮かぶ消えそうな雲のようだったりとそれを操る魔術師の仕業と、見えない世界への憧れは募るばかりでした。そして、私もそれを仕事にしてみたいと真剣に思うようになりました。

・ピアノと床暖房2015/02/27 16:05

ピアノを床暖房の部屋に置くのは禁止です。最近ピアノの調律に伺ったお宅3軒が床暖房でした。1軒は、ピアノ設置の部屋だけは床暖房のスイッチを切ることができたのでかろうじて安心しました。が、もう2軒は仕方がなく、様子をみてできれば移動することを考えなければなりませんでした。 床暖房の部屋がピアノに不向きだという理由の一つに異常な乾燥状態になる事があげられます。冬の時期を過ぎて湿気の多い夏を迎えると湿度が高くなります。夏場にエアコンを入れて湿度を下げればいいというかたもいらっしゃいますが、冬場の床暖房使用時の湿度の40%を切る状態に保つことは容易ではありません。もう一つの理由に温度が考えられます。床暖房の床は暖かくなります。個々に違いがあると思いますが、その熱がピアノ内部にも伝わります。金属でできてる鋳物のフレーム、弦などは、温度が高くなると伸びてしまいます。そういう理由でピアノの音は異常に狂ってしまうのです。音がずれたという程度ではありません。演奏不可能な状態になってしまうのです。また、ピアノ内部の木材でできている部品も乾燥や温度により縮んでしまい、正常な機能を果たさなくなります。 写真は、床暖房の部屋に置かれていたピアノですが、乾燥によって突き板が剥がれてきています。皆様、ピアノは床暖房の部屋に置くのは絶対に避けて下さい。